こんにちは。安居社長です。
2023年10月7日(土)付の日経プラスワンの【なやみのとびら】に寄せられた読者からの質問で以下のようなものがありました。
内容は【片付けられない娘】です。
質問者さんの男性の高校生である娘さんが部屋が散らかり放題、脱いだ服はそのままで、しょっちゅう妻とケンカしているのですが、改善するにはどうすればいいですか?何か父親としてできることはありますか?普段娘と会話もなく、どう接すればよいものか。
というものでした。
回答者である平岳大さんの回答は、ざっくり抜き出すと
不得意な分野に注目するのではなく、得意分野を伸ばす方に考え方をシフトしたらどうですか?好きなことを伸ばせば共感者が現れて、人と接する機会も増え身の回りを意識するようになるから自然と片付けるようになるかもしれませんよ。
というものでした。
これを読んで僕がハッと気付かされてしまいました。
我が家もそうですが、夫婦どちらか一方は綺麗好き、パートナーはそうじゃない、というパターン。
僕はお風呂掃除は洗い場もカウンターも浴槽も洗うのが普通と考える人ですが、妻はそうは考えない。最悪浴槽だけ洗ってあればいいじゃん、というような感覚です。
この感覚の違いがイライラを募らせることあります。
1ヶ月の出張から戻ると、それなりに汚れが溜まるわけですから、気づかないはずがない。ワンオペとはいうもののたまには洗えないかな?ん?と考えてしまいます。
「部屋が散らかってるから片付けられないかな?脱いだ服を片付けられないものかな?」
という感覚は質問者さんと同じ気がしました。
(一般的視点からみて)より良い状態を目指す側【上位目線】からすると
【みっともない】【これを見て何とも思わないのかよ】
と、若干の苛立ちを孕んだ考えについつい至ってしまいます。
これが、他のことでは逆転します。
料理、洗濯、子供の身の回りのことについては完全に逆転するのです。
僕の方が低位になります。
単純な理由です。
苦手だし、得意ではないから。
そして、結婚当時のことを思い出しました。
働くのが好きだった僕と働きたくなかった妻。
子供ができたタイミングで専業主婦を選んだ。
もし、妻が働きたい側の人だったら、今よりも我が家は落ち着かない環境であったかもしれません。
今がとても穏やかな波に感じられます。
なるほど。
偶然で絶妙なバランスを保ちながら我が家はうまく回っているのかもしれない、と思いました。
彼女が苦手なことを僕が彼女よりもうまくやれる。
僕が苦手なことは彼女の方がうまくやれる。
お互いの力を借りれず、やらなきゃいけない時は苦手だし得意ではないけどやるしかない。
無意識だけどそのようにして日々の生活が回っています。
だから、自分がやれなくてたとえ汚くても、仕上がりがいまいちでも、受け取る側が許容してあげるべきなんだと感じました。
そして、仕事への考え方につながってきます。
人はそれぞれ違った個性があります。家族でも兄弟でも違うのであれば、他人と集まった組織である会社では当然個性とぶつかる場面が多いと思います。
得意な方の人がそれをする。
人は万能でなく、不得手なことが必ずある。
考え方、ゴールも人それぞれである。
業界の周りを見ると、業務上の会社の規則やマニュアルがなく、口伝の場合が多いです。
そして目指すゴールが明確でない場合、上位の人間の感覚とかイメージがゴールになることがある。
低位に対してそれをちゃんと伝えず、目指すゴールを明確に示せていないことは上位の怠慢であると僕は思います。
霧の中、ゴールを目指すどころかゴールを探すところから始めさせるようなものだからです。
それなのに上位が低位に対して、
「なんでできねぇんだ!ポンコツが!」
と罵り、その不出来な具合に呆れたりするような場面が非常に多いと感じます。
そうではなく大切なことは、許容、受容、寛容であるべきだと思います。
上位もしっかりとした指導方法を学ぶべきだと思います。
感覚でやる時代は、すでに終わっているのですから。
でないと、後輩たちにあなたが迷惑をかけることになるのですから。